ヒトメモリが目指す場所

思い出は、みんなのもの。
だからこそ、すべての子どもたちに、
等しく届いてほしい。
ヒトメモリは、全国の子どもたちに
これから先も価値ある思い出を届け続けたいという思いで生まれた、
新しいアルバムサービスです。

ヒトメモリは、単に「卒業アルバムを届ける」サービスではありません。
写真やアルバムというツールを通じて、
「思い出の不平等さ」
「表現する機会の偏り」、
そして「持続可能性の課題」に、
小さな問いを投げかけたい。
そんな想いが、背景にあります。

私たちがこの活動を通して
少しずつでも変えていきたいと
願っているのは、
次の4つの“壁”です。

1. 思い出格差をなくしていきたい

少子化が進む中、
アルバム業界はいまも
「大人数前提」の仕組みが主流です。
そのため、少人数校では一冊の価格が
非常に高くなってしまったり、
アルバムそのものを
諦めざるを得ないケースも増えています。
記録されずに過ぎていく
子どもたちの時間があるという現実を、
私たちは見過ごせませんでした。

ヒトメモリは、その前提を見直し、
人数や地域によって「思い出を持つ権利」が
左右されない仕組みを目指しています。
卒業アルバムは、
大人数のための記録ではなく、
ひとりひとりの物語がつまった
記憶の箱であってほしいのです。

2. 思い出を子どもたちに返す

これまで私たちプロカメラマンは、
「学校行事」を中心に撮影してきました。
けれど、子どもたちの記憶に残っているのは、
運動会や卒業式だけではありません。

教室でふざけ合う声、
配膳中の笑顔、窓の外に広がる放課後の空。
何気ない日常こそが、
じつは本当の意味での
「思い出」なのかもしれない——
そう考えたとき、
私たちはこれまで見過ごしてきた風景の
大切さに気づかされました。

ヒトメモリでは、
子どもたちがカメラを手に取り、
自分たちの日常を
自分の視点で記録していきます。
プロのように撮る必要なんてなくて、
子どもたちにしか撮れない、
ありのままの姿を切り取ってほしい。
子どもたちの世界を信じて、
それをきちんと形にして届けることを
私たちは大切にしています。

3. 体験の格差も、少しずつなくしていく

写真は、自分の視点や感性を、
誰でも自由に表現できるツールです。
教室や校庭でふとした瞬間を切り取り、
友だちや先生に見せる——
それだけで、「すごいね」「面白い視点だね」
といったリアクションが返ってくる。
そんなやりとりが、
視点や内面を“認められる体験”に
つながっていきます。

さらにその写真がアルバムに掲載され、
何十年も残る一冊の中で共有されること。
それは、自分の想いや感性が
他者に届いたという、
かけがえのない「肯定された記憶」です。

ヒトメモリが届けたいのは、
こうした表現体験でもあります。
どんな子にも、どんな学校にも、
そんな機会が当たり前にある世界を目指しています。

4. 卒業アルバムを、持続可能な形へ

いま、卒業アルバムは
「誰かが無理をして成り立っている」
状態にあります。
小部数による価格高騰、先生方の業務過多、
価格と品質の板挟み、撮影者不足……
そんな限界のなかでも、
子どもたちのために
文化を絶やさないようにと
支えている多くの人たちがいます。

けれど、持続可能でなければ、
これから先も
思い出を残し続けることはできません。

ヒトメモリでは、
子どもたち・先生・保護者・業者が
役割を分かち合いながら、
みんなで「思い出」を共創する、
無理のない仕組みを少しずつ形にしています。

卒業アルバムという文化を、
ただ“守る”のではなく、
これから先もちゃんと“残して”いけるように。
そんな新しいスタイルを、
提案していきたいと考えています。

ヒトメモリを選ぶことは、
小さな意思表示でもあります。

「子どもたちの視点を、大切にしたい。」
「日常こそが、宝物だと思う。」

そんな想いに、静かに、
でも力強く、
私たちは応えていきたいと思っています。